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新規就農について

新規就農を考えている方にお伝えしたいことを大きく2つまとめました。非農家から新規就農した私(はる農園:齊藤)ですが、どちらも就農前は全く気付かず今になって最初から知っておけば、、という事柄です。5年前の私に伝えたいところですが、今後どなたかの参考になればと思います。

新規就農の3つの壁、確実な突破口は1つ。確かな技術。

  情報

   農地、中古農機具、売り先などの情報は現場の農業者や村の人しか知らないことが多く、

   新規就農を希望する人にはほとんど知る手立てがないのが通常です。就農希望地で農業を

   やっている人とのコネクションを創るには、研修や農業者の集まりなどに積極的に参加す

   るしかありません。

   

  資金

   研修から営農開始まで少なくとも2年、その後軌道に乗せるまで3年。最低5年は生活資金、運営

   資金を用意する必要があります。ただこの点については補助金などの制度が充実してきており、

   研修から使えるものもあります。必要な資金についてはある程度自分で情報を集めて計算できる

   ので、早い段階から計画をたてて備えることができることです。

 

  技術

  有機農業で就農する場合、圧倒的に大きな壁となるのが技術。農薬、大型機械、設備な

      どを使った場合は、気温変化や害虫の被害を抑えて少ない品目を大量に、季節にほぼ関

      わらず生産できますが、有機農業では季節に合わせて多品目の野菜を、害虫や雑草と戦

  いながら生産しています。

 

  種の撒き時や収穫のタイミングなどは隣の市や町というレベルで激変することも少なく

  ありません。そのため中途半端な技術では、種をまいたところで収穫ゼロということ

  も。。 

  どれだけ資金や情報をもっている人でも収穫物がなければそれらを活かすことも農業を

  続けていくこともできません。

 

       逆に技術があれば、まず最低限売るものがある。つまり、買い手がついて独立後の経営

  が軌道に乗りやすくなり、そうなると地域の農家からも一目置かれ、情報交換などもし

  やすくなります。

  営農方法は農的な暮らしから六次産業化までいろいろありますが、いずれにせよ農産物

  がまともにつくれなければ何も始まりません。

 

 

独立後に繋がる研修のポイント

   ①就農地に近い場所で研修する。

   有機農業は気候、地形、土に合わせた農業であるため、地域ごと(村レベル)でやり方が

     変わります。ある程度経験をつめば技術を応用することができますが、新規就農者にとっ

     て研修先の技術が就農地で全く通用しなければ研修期間を無駄にしたのと変わりありませ

     ん。少なくとも隣接した市の範囲から研修先を選択することが好ましいと思います。 

   

   ②自分に近い条件で独立経営を果たした農家を探す。

     一口に有機農業と言っても、法人化している場合と個人とでは、日々の作業レベルから

  全く異なります。仮に法人で技術と経験を積み上げても、いざ独立したとき大型施設や

  農機 を購入できなければ、習得した技術は宝の持ち腐れ、使うことはできません。全く

  役に立たないわけではないのですが、自分の独立にとって価値のある技術かと言うと少

  し違ってくるのです。新規就農や非農家出身という条件では、人手、コストが掛から

  ず、大型機械がなくてもしっかり野菜がつくれる技術が独立後たよりになる技術と言え

  ます。それを学べるのは、新規就農の道を歩んできた農家です。

 

   ③実践型研修で徹底的に技術を自分のモノにする。

     有機農業は、そのイメージや理論こそ一人歩きしがちですが、作業のほとんどが手作業

  の世界。支柱の挿し方、マルチのはり方、収穫の仕方など、やってみないとわからない

  ことが多い世界です。この中の収穫作業一つとっても、野菜やその品種、気候などによ

  って日常的に細かい内容が変わります。少なくとも1年はとにかく見たまま、言われたま

  まをやって初めて1つの作業が全体とつながり、意味を持つように見えてきます。それ

  まではネットや本に書いてあることは一旦置いて徹底的に技術を身に着けることに集中

  するのが第一です。

 

   ④複数の農家で研修する。

  農家の技術に1つの正解はありません。例えば、冬場の葉物野菜。しっかりハウスでつ

  くる人もいれば、ハウスがないので露地で育てて寒さで葉っぱがやられても3月にとう立

  ちしたところを野菜のなばなとして販売する人もいます。どちらが正解か?ではなく、

  土地や自分の条件に合った方法を選択できるかが重要です。

 

  1つの研修先でやったことを、独立後全く同じように繰り返しても、土地の条件、農機

  具、働く人、作業日が全く同じ出ない限りうまくいきません。結局ある程度は、自分な

  りにアレンジできて初めて技術をものにしたと言えることになります。

 

  複数の農家で研修する経験こそ、自分なりのやり方を見つけていくとき最大の武器にな

  ります。異なる条件、考えの農家で研修することで、例にした冬場の葉物野菜の育て方

  を複数観ることができ、それぞれのメリット、デメリット、その裏にある条件の違いを

  把握できます。

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